社会風刺

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し刑

裁判所は、緊張に包まれていた。「判決は、し刑」(まだわからない。どっちだ?)被告人は、祈る思いで画面を見つめる。画面にその文字があらわれると、傍聴席の遺族は狂喜し、被告人はガタガタと震えはじめた。「娘がどんな気持ちだったか、今からたっぷり思...
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三途の川

父との別れの時が来た。家族は、棺に遺品を入れ、胸元に三途の川の渡し賃を忍ばせる。火葬前の夜、家族がしんみりとを過ごしている時、棺桶の中の父が起き上がった。驚いて固まっている私たちに、父が言った。「三途の川の渡し賃が、電子マネーに変更になった...
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女性差別

難しい時代になったものだ。深呼吸をしてから、電車に乗る。「おはよう。ちょっと顔色が悪いようだけど、大丈夫かい?」「女性に外見の指摘をするなんて失礼な。差別ですよ」「…あぁ、失礼」「台車運ぶの、手伝うよ」「それって、女性の私の方が非力だってい...