寓話

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マッチ売りの少女

「マッチはいりませんか?」今日は大晦日。皆足早に通り過ぎてしまい、今日はまだ1個も売れていない。マッチを売り切らずに帰ると、家では厳格な父に殴られる。空腹と寒さで震えていた少女は、通りではなく、一件ずつ家を回ることにした。扉を叩き、家主が玄...
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赤ずきんの問い

「おばあさんのお耳は、どうしてそんなに大きいの?」「それは、お前の声をよく聞くためだよ」「おばあさんのお目めは、どうしてそんなに大きいの?」「それは、お前の姿をよく見るためだよ」赤ずきんはゾクゾクしていた。オオカミがおばあさんのふりをしてい...
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ピノキオ

ピノキオに、嘘を鼻が伸びるように魔法をかけようと、杖を振った妖精。しかし、杖を振った方向を間違えてしまい、鼻ではない場所に魔法をかけてしまった。「昨日。こーんな大きな魚を捕まえたんだよ」そう話すと、パンツの中に違和感が…。嘘をつくたびに、彼...
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シンデレラの異母姉たち

私たち姉は、別にシンデレラに意地悪なんてしていない。シンデレラが、悲劇のヒロインになりたがっていたのだ。朝起きると、数あるクローゼットのドレスの中から、一番みすぼらしい服を選び、「お姉さんたちにいじめられているの」と吹聴してまわる。「掃除は...
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魔女の言い分(ヘンゼルとグレーテル)

私はパティシエだった。魔女なんかではない。顔が鷲鼻で、ちょっと人相が悪かっただけだ。職人の世界では、強面の人は珍しくない。ある日、お菓子の家を作ってほしいという注文が入った。家サイズのお菓子なんて、前代未聞の無茶な注文である。でも私は、腕の...
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織姫と彦星

七夕の一夜しか会えない織姫と彦星は、会えない時間の分、強い恋心でつながっていた。でも、それは二十代の頃の話である。三十代になると、「あれ?」と思うことが増えてきた。(白髪が出てきたな)(息、臭くなってきたな)一年ごとに、幻滅する部分が増えて...
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アリとキリギリス

A男は、若いころから遊びもせず、勉強や仕事の場面でも、真面目で誠実であることを評価されてきた。収入も多くなく、未来のために貯蓄して、爪に火を点すような慎ましい生活をしてきた。老人になって人生を振り返り、コツコツと働きアリのような生活をしてき...
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金の卵

男は、金の卵を産むニワトリを高値で買い取った。初期投資は痛かったが、これから生み続ける利益を考えれば、どうってことはない。しかし、買ったニワトリは、数日は金の卵を産んだが、それ以降は他のニワトリと変わらない白い卵を産むようになった。「どうな...
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毒リンゴの正体

白雪姫は、継母が持ってきた毒リンゴを一口かじり、倒れてしまう。継母は、まさかの展開に驚きを隠せなかった。継母は、王妃であったため、料理とは無縁であった。しかし、白雪姫との関係の雪解けを願って、料理にチャレンジしたのであった。それは、りんごの...
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それからの三匹の子ブタ

藁の家を壊されて逃げてきた長男と、木の家を壊されて逃げてきた次男は、三男のレンガの家に逃げ込んで、オオカミから襲われずに済みました。めでたしめでたし。だったのだが、もともと怠け者だった兄弟たちは、「どうせ俺たちが建てる家はオオカミに壊されて...