はじめに
猫と暮らすのに憧れはあるけれど、
「本当にちゃんとお世話できるかな?」
「かわいそうな思いをさせてしまわないかな?」
そんな不安を感じている人はいませんか?
この記事では、これから猫と暮らしたい人、そして暮らし始めてから「これでいいのかな?」と迷ったときに浮かぶ、よくある疑問にやさしく答えていきます。
室内飼いはかわいそう?
窓の外を1日中眺めている猫を見ていると、「外に出たいのかな?」「外と家の中の両方を行き来できる方が幸せかな?」と感じる人もいるかもしれません。
確かに、猫は外の空気や空の変化、動く景色が刺激的でとても好きです。しかし、飼い猫にとって外の世界は、窓から見る額縁で十分です。外の世界以上に、家の中の危険のない安心できる環境の方がずっと好きなのです。
外に出られる環境を作ると、外で縄張り意識の強い野良猫と喧嘩して怪我を負ったり、少しの散策でも、体にノミやダニをつけて帰ってきて、その後長い治療をしなくてはならないこともあります。
屋外で生きる野良猫の寿命は一般的に3年~5年程度。半外飼いの猫と完全室内飼いの猫の寿命も、2~3年違うと言われています。
一人暮らしだったり、家族がいても日中は誰も在宅しない家に猫をお迎えすると、お留守番の時間が長くなってかわいそうに感じて、猫のお迎えを躊躇している人もいるかもしれません。
確かに、常に誰かがそばにいてくれる環境は、愛する飼い主の気配の中で暮らせる、とても良い環境です。
しかし、お留守番中、猫はずっと寂しがって退屈をしているかというと、実際はそうでもないのです。
猫は、1日の大半を寝て過ごす動物です。平均的な睡眠時間は、成猫で14時間程度。子猫やシニア猫は、18時間~20時間近くと言われています。
飼い主が外出すると、「出かけちゃったなぁ」とは感じながらも、飼い主の匂いのする場所で残った匂いに安心して、うたたねと部屋の散策を繰り返します。
・出かけても必ず帰ってくる
・自分の食事やトイレの清潔さ、暮らしの安全はきちんと守られる
これがあれば、強いストレスなくお留守番の環境も受け入れてくれます。
変則勤務などで朝と夜にフードが提供できない場合は、自動給餌器
危険なくお留守番できているか心配なら、見守りカメラ
等、お留守番の心配に対応したグッズも色々販売されています。
ただ、猫は飼い主の目が無いと、驚くようないたずらをすることがあります。
誤飲、脱走、感電などの危険が無い環境に整えてからお留守番をさせてあげてください。

1匹より2匹の方が寂しくない?
お留守番が多いなら、「1匹でお留守番するよりは、2匹でいる方が寂しくなくてよいのかな?」と感じる人も多いと思います。
このことに関しては、その子の性格と猫同士の相性によって、2匹でいることが安心になる場合とストレスになる場合があります。
もともと、猫は自分の家に自分の安全を守れる場所だと安心して暮らしています。
そこに新しく迎えた猫が、その安心の場所に踏み込んできて「仲良くしてね」と強制される。
先住猫には強いストレスになり、また新しく迎える猫にとっても、家に来た初日からその攻撃性を受けることになるのは強いストレスとなります。
縄張り意識の強いオス猫同士だと、縄張りを巡って争いが起きやすく、相性が良くないと言われています。
また、先住猫が成猫で、静かに暮らしていたところにやんちゃで制御がきかない子猫が新しく迎えられることで、生活の穏やかなリズムを崩されることでストレスを溜めてしまうこともあります。
先住猫がいて、その後にもう1匹お迎えしたいと思っている時は、まず先住猫に配慮し、他猫との共生が難しいと感じたら多頭飼育は諦めるのが、猫の幸せを考えた答えとなります。
この子なら相性が合うのでは?と判断してお迎えした時も、新しく迎える子を他の部屋、またはケージなどで区切られた環境でお迎えして、新しい子か来たという気配、使っている毛布の匂い交換などをしてから、少しずつ先住猫の心の受け入れる準備が整えて同じ空間で仲良く過ごせるように段階をつくってあげることが大切です。
また、はじめから多頭飼育向きのケースもあります。
保護団体や保護主さんから、「この2匹は出来ればペアで迎えてほしい」と記載されている場合もよくあります。兄弟猫であったり、長い間同じ保護団体で仲間のように暮らしてきたペアで、片方が人馴れには時間がかかるけどこの猫には心を開いているから、2匹で迎えられることで新しい環境に安心して順応していける。そういう場合にこの文面が追加されていることが多いです。
そうでなくても、人への信頼も保護されるまでの過酷な時期、保護されてからの長い時間を一緒に過ごしてきた猫同士は、2匹でいることで社会性、遊びを補い合います。
猫の性格や関係性、家の環境を見て、我が家ではどっちで迎えるのが最適か、検討していただければと思います。

ダメな事はしつけで直せる?
「ゴミ箱を漁る」
「台所の火に近づく」
「電気コードをかじろうとする」
猫と暮らしていると、危険な場面に出会うことがあります。
その行動を直す時、犬のように「しつけ」で直すことは出来るのでしょうか?
猫は、「しつけ」で行動を変えることはきません。逆に叱責は悪循環になります。
問題行動は「無言で場面を切り替える」「物理的に問題が起きない環境を作る」ことが効果的な対策です。
猫は、終わった後の行動を注意されても、何に怒られたのか理解できません。
「怒られた」
「あなたが怖かった」
その体験だけが残り、問題行動は変わらずにあなたを怖がるだけになります。
怒られるからと目の前でやらなくなっても、コンセントや土などの興味があるうちは、あなたのいない場所やいない時間に隠れて問題行動を続けるようになります。
猫の問題行動は、危険を認識していないことと、火や紐や土などは本能的に興味を持ってしまうところにあります。

問題行動につながるものは、生活の中からなるべく排除するのが最善の対策です。
でも、生活する環境から、全てを排除するのは実際は難しいですよね。
そんな時は、問題行動を取りそうになったら無言で猫を引き離す、ものを隠す、を繰り返してください。
狙ってもうまくいかない経験を繰り返すうちに、それは刺激的なものではなく景色の一部になり、そのうち目の前にあっても何の反応も示さないようになります。
しつけは出来なくても、本能的に苦手な匂いや急な大きな音にはびっくりして行動が止まります。
缶にコロコロとした音のするものを作って、とっさの問題行動の時に叱る代わりに鳴らしたり、入ってほしくない場所、触ってほしくないものに「猫除けスプレー」をするのも効果があります。しかし、これを多用するのも猫のストレスとなり、「頻繁に大きな音で脅す人」として信頼関係を損なうことがあるので、最低限の使用に留めるのがよいでしょう。
猫アレルギーの発症はどうしたら防げる?
アレルギーというものは、もともと持っている人もいますが、日々の接触の中で、ある日、自分の許容量を超えて発症してしまうものです。
今は猫アレルギーがなくても、飼い続ける中で発症して、猫と暮らせない日が来るのは避けたいものです。
猫アレルギーは、猫の何が原因なのでしょうか?
これは、「Fel d 1」というたんぱく質が原因です。猫の「唾液」に含まれている成分で、猫は常に毛をなめて毛づくろいをするので、その唾液の付いた毛や、皮脂から落ちたフケを吸い込み続ける事で、アレルギー症状が発症するというしくみになっています。
今は猫アレルギーを発症していない人も、他のアレルギー(花粉症など)を持っている人は、免疫系が「外敵」に対して敏感モードになっているため、新しいアレルゲンに対してもアレルギーを起こしやすい状態になっていると言います。
そのため、どんな人も、今後に猫アレルギーを発症しないような環境づくりは大切なことと言えます。
猫の毛を日常的に吸い込まないように、日頃から掃除機や拭き掃除で清潔な環境を維持することが大切です。
換毛期は、ブラッシングをして毛を整えて、家中に毛が舞わないようにするのも良いでしょう。
あとは、部屋数に余裕があれば、猫と寝室をわけると、発症のリスクを大分下げられます。毛やフケは床に落ちて溜まります。床から近い場所で何時間も眠る習慣があるかどうかで、大きな違いが出ます。

アレルギー対策だけではなく、人と猫は、朝の目覚める時間、活動を始める時間も違うので、人が起きるまで違う部屋で過ごすのは、睡眠の質の向上にもつながります。
まとめ
猫と暮らすのに、日々ヒヤヒヤする体験もありますが、喜びや癒しの方がはるかに大きく、猫を迎えたいと思っている人には、少しのアドバイスを届けながら、ぜひ迎えてくださいと伝えたいです。
この記事が、あなたの背中を押せる存在になったらうれしいです。

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