余韻

ショートショート

猿も木から落ちる

私は、朝からずっと動物園の猿山を観察していた。「猿も木から落ちる」かどうかを確認するためだ。結果は、落ちるというより、後ろから押されたり、威嚇されたり、普通に落ちていた。ただ、落ちても皆、痛みを引きずる様子はなく、すぐにまた木に登っていた。...
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ルービックキューブ

(人生とはルービックキューブのようなものだ)私は気づいた。一面を揃えようと没頭していると、残りの五面がぐちゃぐちゃになる。私にとっての一面は、市長としての顔だった。市民の声を聞き、人のために奔走し、私の仕事は評価され、尊敬もされていた。しか...
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十六夜

1人の彫刻家がいた。天賦の才に加え、寝食を削るほどの努力家であった彫刻家は、他の追随を許さないほどの存在となり、芸術家としての黄金期を迎えていた。彫刻家が、自分でも見惚れるほどの「聖母マリア像」が完成したその夜、彼は頭を殴られたような激しい...