僕の名前は「鳥」だ。
名付けた父に言わせると。
「鳥のように自由に羽ばたける子になってほしかったから」
とかもっともらしい理由を言われるが、そんなわけない。
今日も、病院の診察室で
「渡鳥様、渡鳥様」
と呼ばれ、皆が僕の方を振り向き、笑うのだ。
「渡」という苗字に合わせ、父が面白がってつけたに違いない。
この名前のせいで、僕は、笑いものの人生だ。
ずっと親を恨んで生きてきた。
そして今、僕の息子の名前の提出に、市役所に訪れている。
「本当にこの名前でよろしいんですね?」
「はい、お願いします」
息子の名前は無事、受領された。
「渡哲也」
今なら、父の気持ちもわかる気がする。


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