怖い話

ショートショート

口裂け女

「私、きれい?」「もちろん、おきれいですよ」女はマスクを外し、口を見せる。「私、きれい?」「だから、きれいって言っているじゃないですか。しつこいなぁ」私は、美容外科医だ。毎日、コンプレックスを抱えた女性がたくさん診察に訪れる。大体は、「おき...
ショートショート

桃を拾ったおばあさん

おじいさんは山へしばかりに。おばあさんは川に洗濯に。山も川も歩いて半日ほどかかり、家に帰ったころにはお腹がペコペコだった。ある日、おばあさんが、川で拾ったという大きな桃を持ち帰ってきた。なんと大きな桃だろう。今晩は久しぶりにお腹いっぱい食べ...
ショートショート

竜宮城への案内

カメは、子供たちに頼んでいた。「私を殴るふりをしてくれないか?そこにひっかかる人がいたら、君たちにも分け前を与えよう」まんまとひっかかった浦島太郎。カメは後ろから子供たちに謝礼を渡し、浦島太郎を竜宮城へ連れて行った。何故かって?それは、ご主...
ショートショート

録音人形

私はなおこ。なおちゃんって呼ばれてるの。8歳の誕生日に、等身大サイズのお人形をプレゼントされた。この人形には録音機能が空いており、私の声をそのまま、私と同じ声で復唱してくれる。私は嬉しくていつも人形を持ち歩き、いつも話しかけた。「あそぼー」...
ショートショート

サイコパスとその妻

私は、若いころから感情が平坦であった。人の喜びや痛みに共感できないのだ。(なんでペットが死んで泣いているのだろう?)(なんで卒業式ごときでこんなに泣けるんだ?)泣いて取り乱す人を、無感情で眺めていた。そんな私に、好意を持ってアプローチしてき...
ショートショート

ぴーちゃん

結婚して子供も授かる気配がなかった夫婦は、インコを飼い始めた。「おはよう」「ぴーちゃん」我が家のインコはよくしゃべる。「ぴーちゃん、かわいい」「しねばいいのに」「えっ?ぴーちゃん、今、何て?」その日の夜、妻はそっと家を出た。