日本語講座上級者コース

ショートショート

丁寧語、尊敬語、謙譲語をマスターした上級者にだけ受講できる講座があった。

1日目は、「省略語」。

「あーっす。これは何と言っているでしょう?」
「明日?」
「違います。ありがとうございます、です」

生徒はどよめく。

「っす。これは?」
「?」
「おはようございます、ありがとうございます、どれにも使えます」

「りょ。は?」
「?」
「了解しましたの略語です」

「オーマイガー!」
「アメージング」
受講者は日本語の奥深さに感嘆し、次の日の受講に心を躍らせて帰っていった。

2日目は、「京都弁」。

「ぶぶ漬け(お茶漬け)でもどうどすか?この意味は?」
「お茶漬けでも食べていってください、ですよね?」
「違います。そろそろ帰れという意味です」
「……。」

「おたくのとこの子、ほんまお利口さんどすなぁ。この意味は?」
「お宅のお子さんは、頭が良くて感心する、ですよね?」
「違います。お宅の子、口が達者で生意気だという意味です」

「えらいご熱心どすな。この意味は?」
「熱心で素晴らしいい、ですよね?」
「違います。しつこくて迷惑だという意味です」

受講者は、全員退会してしまった。
「日本語怖い」
という言葉を残して…。

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