シンデレラの異母姉たち

ショートショート

私たち姉は、別にシンデレラに意地悪なんてしていない。

シンデレラが、悲劇のヒロインになりたがっていたのだ。

朝起きると、数あるクローゼットのドレスの中から、一番みすぼらしい服を選び、
「お姉さんたちにいじめられているの」
と吹聴してまわる。

「掃除は皆で分担しましょう」
と声をかけても、その声を無視して私たちがやる前に済ませ、顔や服に煤を擦り付け、可哀そうな妹を演じる。

お城のパーティーも、
「さあ、一緒に行きましょう」
と声をかけたが、
「私は行きません」
と断っておいて、どこからか最上級のドレスとガラスの靴を準備してもらって、わざと人目をひくタイミングで王子のもとに現れ、そして帰っていった。

シンデレラを選んだ王子に、伝えたいことがあるわ。

「王子よ、気を付けて。あの娘は恐ろしいわよ」

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