ブラックユーモア

ショートショート

天国

男は、見慣れない場所にいた。どうやら死んでしまったらしい。男は生前、かなりの悪事を働いた。それによって多くの富を築いたが、最期は恨まれて殺されてしまったのだ。お花畑は広がっていないが、10分ごとに「コーヒーはいかがですか?」と伺われ、食事は...
ショートショート

18禁

その映画は「18禁」と書かれていた。少年は、18歳になった日の夜に、ついにその映画を観ることができた。ワクワクしながら見ていたが、映画の終わりまで、全くそういう映像が出てこなかった。(どこが18禁なんだよ)と投げ捨てようとした時、裏に書いて...
ショートショート

桃を拾ったおばあさん

おじいさんは山へしばかりに。おばあさんは川に洗濯に。山も川も歩いて半日ほどかかり、家に帰ったころにはお腹がペコペコだった。ある日、おばあさんが、川で拾ったという大きな桃を持ち帰ってきた。なんと大きな桃だろう。今晩は久しぶりにお腹いっぱい食べ...
ショートショート

狭き門

「あなたは一度、困っている人に手を貸しませんでしたね」そう言われ、俺は左の門に案内された。左の門は長蛇の列ができ、右の門は、まだ一人も通過していない。経費削減のため、天国の門の審査はかなり厳しくなったようだった。そんな中、「おめでとうござい...
ショートショート

竜宮城への案内

カメは、子供たちに頼んでいた。「私を殴るふりをしてくれないか?そこにひっかかる人がいたら、君たちにも分け前を与えよう」まんまとひっかかった浦島太郎。カメは後ろから子供たちに謝礼を渡し、浦島太郎を竜宮城へ連れて行った。何故かって?それは、ご主...
ショートショート

サンタクロースの憂鬱

サンタクロースは悩んでいた。時間指定配達、期日指定配達が浸透し、宅配業者を苦しめているという。私なんて、24日の夜指定。配達箇所は世界中の良い子たちの家。1台のソリとトナカイだけを渡されて、やれっていうのはブラック過ぎやしないか?労働環境を...
ショートショート

治験

新薬の治験に、20人の人が集められた。薬を飲むと、数人が悶えはじめ、それがだんだんと増えていった。20人中18人が息絶えた治験会場で、新薬開発者は呟いた。「大成功だ。この薬こそ、未来に必要なんだ」こうして、未来に有益な人だけが選別される薬が...
ショートショート

未来の色

私の持っているロボットは、未来が予見できる。しかし、教えてくれるのは、未来の持つ「色」だけである。「明日の天気は?」「灰色」翌日は曇りだった。私はロボットに、恋愛の未来を見てもらうことにした。「この人は、明日デートしたらどうなる?」「ピンク...