不思議な話

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心音

「また蹴った」私は夫と顔を見合わせる。臨月になった赤ちゃんは、毎日のように元気にお腹を蹴っていた。(あと一か月かぁ、待ち遠しいなぁ)今日も夫と一緒に産婦人科の診察に来ていた。お腹にエコーを当てていた医師が顔を曇らせて告げる。「赤ちゃんの心音...
ショートショート

ある秋の夕刻。母と子どもは、家までの道を歩いていた。背後には大きな影が伸びている。しかし、影は一つ。子どもの影だけだった。「どうしてママの影はないの?」「それはね…」「大人になると影は無くなるんだよ」「へぇ、そうなんだぁ」子どもはそう返答し...
ショートショート

出生

俺には父親がいない。俺が生まれてすぐに、何の前触れもなく蒸発してしまったというのだ。母はそんな状況でも、俺を女手一つで育ててくれた。母は、「こう見えても、若い頃は美人だったのよ」と話す。生活の苦労のストレスで20㎏以上太ってしまったらしい。...
ショートショート

イーハトーブに想う

アメニモマケズ学生時代にこの詩に感銘を受けた私は、生涯にわたってこの生き方に倣おうと心に決めた。人間関係では、困っている人に心を寄せて、手助けできることを探した。職場でも、人の嫌がる仕事を率先して行い、自分の手柄より、周囲をサポートすること...