はじめに
瞳は「心を映す窓」と言われます。
私自身、営業マンの人に優しい言葉でずっと笑顔で話されているのに「何かこの人怖い」と感じたことがあります。
瞳は時に、言葉より雄弁です。
言葉や笑顔で隠せないほど、内側の心をそのまま映し出してしまいます。
逆に、優しいまなざしを持つ人に、初対面なのに心を許して、泣きそうになったこともあります。
あなたの瞳はどちらでしょうか?
この記事では、私なりに考えた「温もりを宿した瞳」を持つための心の在り方をお伝えしたいと思います。
オードリー・ヘップバーンの言葉
往年の名女優、オードリー・ヘップバーンは、可憐な容姿で人々を魅了しましたが、晩年はユニセフのチャリティー活動に人生を捧げ、その内側に宿る魂の美しさが、外見の美しさを凌駕していました。
彼女の遺した言葉が、彼女の美しさの真実を物語っています。
美しい瞳であるためには、他人のよいところを探しなさい
美しい唇であるためには、親切な言葉だけを話しなさい
人は誰しも、良い所と悪い所を両面持っています。自然と違和感を感じる悪い方に目が行きがちですが、「自分はどんな場面でもよい部分にフォーカスしよう」と心に決め、瞳をそちらにむけるようにすると、瞳には慈愛の心が宿り、相手にも「肯定」という温かいメッセージが届きます。

世界をジャッジしない
瞳の印象が怖い人には、2つのパターンがあると感じます。
1つは、瞳に「感情がない」人。
もう1つは、瞳に「怒りや軽蔑を宿している」人。
感情が感じられない人は、日々に感動を取り入れ、心を動かす日常を送ることで印象は大分柔らかくなりますが、厄介なのは後者の人。
これは、心のありようが瞳に表れているので、一朝一夕では変わりません。
「40歳を過ぎたら、顔が履歴書になる」とよく言われますが、心の不満や、誰かを侮蔑する感情は、表面的に隠せても、心そのものの在り方を変えるのは困難です。
確かに、
世の中のニュース、身近な人だからこその横暴なふるまい、離れられないコミュニティー‥‥。
日々の中に理不尽な出来事やイラっとする場面には出会います。
それに反応し、ネガティブな感情を積み上げていく事は、相手にとってだけでなく、自分自身にとっても大きなストレスです。
そんな時は、出来事だけを見て、心の中でジャッジしないことをおすすめします。
「本当はこうあるべき」「あの人はおかしい」と怒りの感情に燃料を投下せず、
「ふーん、あなたはそう思うのね」と客観的に受け止め、自分の心を乱さないのです。

感情整理が上手な人は、自分で自分の機嫌をとることが上手で、そういう理不尽なことが起きても、美味しいもの食べて寝たら忘れる、くらいの「相手に心を支配されない」距離の取り方が絶妙です。
侮蔑や偏見も、これは大体無意識です。
人種差別はなくても、体型、年齢、性別、趣味嗜好など、誰もが何かに対して、無意識に偏見は持っているもの。
そういう感情を持っている自分にも寛容になり、そういう人に接する場面でこそ、相手を好きになろうと長所を見ようとする視点が、あなたにかかったフィルターを外す助けとなります。
ジャッジしないで「怒りを溜めない」生活を送れるようになると、その瞳にも温もりが宿り、悩んでいた人間関係も潤滑に回りだすはずです。
見守る優しさ
温もりのある瞳には「見守る」というものもあります。
幼い子が転びそうなとき、手を出しそうになるけどぐっとこらえる。
失敗するだろうけど、あえてその障害物をどかさない
大事故につながることは介入が必要ですが、子どもは転んで、失敗して、自分の体で覚えた体験から学んで強く成長していきます。
これは100の言葉よりも説得力があります。
人生の道程で、多くの人に関わっていきます。同僚、後輩、パートナー、子供、友人‥‥。
適切な指導、アドバイスは大切です。でも、人はトライ&エラーを繰り返してこそ、自分に合った答えややり方を見つけ、自信をつけて成長していくのです。

日本の経済発展に大きく貢献した、パナソニック創業者の松下幸之助さんはこう言っています。
やってみせ、言って聞かせてさせてみて、褒めてやらねば人は動かず
話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば人は育たず
見守るのは、手を出すより忍耐力が必要です。でも、相手を信頼し、温もりのある瞳で見守ることで、見守られている安心感と、多少の失敗は許容される土壌で、人は大きなジャンプが出来るのです。
もう一つの「見守る」の意味に「無関心ではない」ことがあります。
特に日本人は、他人の人生に干渉しない傾向があります。
程よいパーソナルスペースは安心感がありますが、地域の子どもに関心を寄せる人がいない、駅で人が絡まれていても誰も助けない、などの弊害も生まれています。
本来は、人は社会の中で助け合って生きていくもの。
誰も助けてくれない、誰なら話を聞いてくれるだろう、という状況の人のSOSに気づける、優しく見守る「瞳」は持っていたいと思います。

まとめ
温もりのある「瞳」には、温もりのある心を育てていくことが大切です。
日々に、小さな感動を。
日々に、寛容な優しさを。
日々に、誰かのために目を向ける余白を
その温もりは、周囲とあなたを癒し、毎日が少しずつ愛おしくなる未来へと続いています。


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