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井の中の蛙

僕は、田舎の小学校で「神童」と呼ばれていた。皆に尊敬され、学校では「Ⅿの成績を見習え」と話され、近所のおばさんには、「うちの子もⅯくんみたいになってほしいわぁ」と引き合いに出されることが多かった。高校進学の時、「こんなところにくすぶっている...
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同窓会

俺は、パッとしない学生時代を送り、パッとしない就職をし、パッとしない結婚をして、今もまた、相変わらずパッとしない毎日を送っている。そんなある日、中学校の同窓会の案内状が届いた。今、交流のある奴もいないから、これが何かのきっかけになるかな?と...
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信長とホトトギス

「鳴かぬなら 殺してしまえ ホトトギス」信長に捕らえたホトトギスは、恐怖で固まっていた。侍従が勘違いして捕らえたが、自分はホトトギスではない。「さあ、鳴いてもらおうか?」信長に睨まれながら、捕らえられた鳥は、聞いたことのある鳴き声をまねる。...
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トンビが鷹を生む

少年は苦悩していた。(これが僕の限界なんだ、わかってくれ)トンビが鷹を生む。これは、珍しくないと少年は感じていた。自分の生い立ちに悔いて、子供の教育に力を入れてくれる。親も、自分の子どもなのに、という認識があるから、親を少しでも抜くと、「う...
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死刑囚の夜

長い廊下を通り、部屋に通されると、輪になったロープが垂れ下がっている。「嫌だ、やめてくれ」泣き叫び、抵抗する私を両脇から掴み、台に上げられる。床の板が落ち、ロープが首に食い込んでいく。(苦しい、助けてくれ…)目が覚めると、そこは独房だった。...
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側近

私の特技は、会話だ。何も、特別なことは言っていない。自分の意見を挟まず、相手が答えを導けるよう、会話で誘導する。結果、私はトップの人物の側近に置かれ、大切な財産も任されるようになった。現場で働き、その地位を狙っていた人には、私の存在は疎まし...
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ウルトラマン

はるか300光年先からやってくるウルトラマン。ある日、一人の子どもが尋ねた。「何でそんな遠くから、地球のために来てくれるの?」「それは、近くで仕事がないから仕方なく…」話している最中に、ウルトラマンのランプが点滅し始める。もうすぐ3分になり...
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三途の川

父との別れの時が来た。家族は、棺に遺品を入れ、胸元に三途の川の渡し賃を忍ばせる。火葬前の夜、家族がしんみりとを過ごしている時、棺桶の中の父が起き上がった。驚いて固まっている私たちに、父が言った。「三途の川の渡し賃が、電子マネーに変更になった...
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偽善者

私は偽善者だ。常に、心ではなく、頭で考えて行動している。どう動けば、良い人間に思われるか?感謝され、尊敬されるか…。私の策略は、すべて計算通りに進み、今はノーベル平和賞の授賞式の壇上にいる。何十年もこの生き方をしていて、気づいたことがある。...
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パイオニア

マラソンを見る時、「あぁ、最初に前に出てしまったか。後半のラストスパートで、抜かれるんだろうな」とハラハラしてしまう。長距離走では、前を走ることが、他の選手の向かい風も引き受け、後ろに続く者たちに通りやすい道程を作ってしまう。そして、ここぞ...