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ショートショート

のろまなカメ

「ウサギは、昼寝をしているうちに、カメがゴールに着いてしまいました。さぁ、皆さんのお手本にするのはどちらですか?」「カメでーす」子供たちが一斉に答える。「……いいですか。遅くて、休憩もしないでやっと勝てるカメをお手本にするなんて、将来は社畜...
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十六夜

1人の彫刻家がいた。天賦の才に加え、寝食を削るほどの努力家であった彫刻家は、他の追随を許さないほどの存在となり、芸術家としての黄金期を迎えていた。彫刻家が、自分でも見惚れるほどの「聖母マリア像」が完成したその夜、彼は頭を殴られたような激しい...
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未来の色

私の持っているロボットは、未来が予見できる。しかし、教えてくれるのは、未来の持つ「色」だけである。「明日の天気は?」「灰色」翌日は曇りだった。私はロボットに、恋愛の未来を見てもらうことにした。「この人は、明日デートしたらどうなる?」「ピンク...
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暗闇の世界

「ここはどこ?」光はなく、常にザザーという静かな音だけが聞こえる。「トクン、トクン」という規則的な音が心地よい。時折、壁を通して優しい音楽が聞こえたり、こちらに話しかける声が聞こえる。でもその言葉の意味は、僕にはわからない。声は、男の人と女...
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きびだんご

桃太郎は、おばあさんが作ってくれたきびだんごを腰につけて、鬼退治に出発した。「桃太郎さん、お腰につけたきびだんご、一つ私にくださいな」そう声をかけてきた犬、猿、雉に、「これから鬼を成敗に行く。家来としてついてくるなら後であげよう」と答えた。...
ショートショート

女は、優しい男と結ばれ、幸せな結婚生活を送っていたが、たった一晩だけ浮気をした。その後、子を身籠ったことを知る。男との子供であることを祈り、その子を出産することにした。生まれた赤ちゃんの瞳の色は、男とは違っていた。男は責めず、子供にたくさん...
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宇宙飛行士の帰還

火星の調査の後、男は地球に向かっていた。広い宇宙を旅したが、青く美しい星は、地球だけだった。子どもの頃から空を眺め、宇宙に出ることに憧れていたが、離れて改めて故郷である地球の美しさに気づいた。多くの植物や生命の輝きが、その美しさの源になって...
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あすなろ

私は、あすなろの木が好きだ。明日は檜になろう、檜になろうと思いながら、どんなに足掻いても檜にはなれない。私と姉は、子どもの頃からピアノを弾いていた。姉は、才能の煌めきに満ちていて、誰もがその輝きの虜になる。私も姉に届こうと、姉の何倍も練習を...
ショートショート

つぶやき規制法

SNSでデマを拡散する、無責任な発言が横行するこの現状を危惧して、政府が新しい法案を制定した。その名も「つぶやき規制法」。つぶやきを1日3回までとすること。デマを拡散しないように真実のみつぶやくこと。または、デマとならないようにつぶやいたこ...
思春期

思春期のメンタルの症状【当事者はどんな苦しさを抱えているのか】

はじめに私自身、21年前にドスンと重いうつ症状が出て、その後もそれでも何とか社会で暮らし続けている中で症状が増えていき、複雑化していっています。はじめて通院した時に、精神科の医師に「あなたの鬱は、今回はショックな出来事がきっかけだったけど、...