バッドエンド

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録音人形

私はなおこ。なおちゃんって呼ばれてるの。8歳の誕生日に、等身大サイズのお人形をプレゼントされた。この人形には録音機能が空いており、私の声をそのまま、私と同じ声で復唱してくれる。私は嬉しくていつも人形を持ち歩き、いつも話しかけた。「あそぼー」...
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サイコパスとその妻

私は、若いころから感情が平坦であった。人の喜びや痛みに共感できないのだ。(なんでペットが死んで泣いているのだろう?)(なんで卒業式ごときでこんなに泣けるんだ?)泣いて取り乱す人を、無感情で眺めていた。そんな私に、好意を持ってアプローチしてき...
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理想の彼女

彼女は、僕の理想にぴったりだ。当然のことだ。私が自分の理想に合わせて作り上げた、AI人間だからだ。顔は本当にかわいいから、ずっと見惚れていた。でも、美人は三日で飽きるとは本当で、数日見ているうちに美しさには興味がなくなった。それでも、性格も...
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花屋

この仕事には、ドラマがあると感じる。誕生日、プロポーズ、結婚式、母の日、最期のお別れ…。人生の大切な一ページに、いつも花がある。ある日、花屋に一人の女の子が訪ねてきた。「花を一輪欲しいんだけど……お金がないの」私は、「お代はいらないよ、どの...
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博士のタイムトラベル

博士はタイムマシンを開発し、過去に自在に行けるようになった。ここで博士は、ある実験を思いつく。過去の出来事を修正したら、現在がどう変わるか?1回目のタイムトラベルは、パールハーバーへ行き、日本が攻撃を仕掛ける情報を事前にアメリカに伝えた。現...
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ある老婆と息子

踏み込んだアパートには、死後数か月経過した、二つの死体があった。「母親が亡くなって、その後息子が餓死したみたいですね」「息子はおむつが当ててあった。介護が必要だったんだろうな、かわいそうに」二人の刑事は状況を判断し、手を合わせた。僕は戸惑っ...
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ガラスの靴

ガラスの靴を落として城を去っていったシンデレラ。次の日からはまた、朝から家事に追われる生活に戻っていた。そんな中、王子が昨夜のガラスの靴を見せながら、「この靴にぴったりと合う人を探している」と町の女性を集めていた。女性たちは、我こそはとガラ...
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宇宙飛行士の帰還

火星の調査の後、男は地球に向かっていた。広い宇宙を旅したが、青く美しい星は、地球だけだった。子どもの頃から空を眺め、宇宙に出ることに憧れていたが、離れて改めて故郷である地球の美しさに気づいた。多くの植物や生命の輝きが、その美しさの源になって...