A男は、若いころから遊びもせず、勉強や仕事の場面でも、真面目で誠実であることを評価されてきた。
収入も多くなく、未来のために貯蓄して、爪に火を点すような慎ましい生活をしてきた。
老人になって人生を振り返り、コツコツと働きアリのような生活をしてきたが、やりたいことにチャレンジもしてこなかったことに今さらながら後悔するが、もう行動する気力も体力もない。
B男は、若い時から「今したいこと」に挑戦し、失敗することも中にはあったが、挑戦したことで夢にもピリオドを打て、自分の納得するような人生を選んできた。
「好きでやっている」姿勢が、人の心を動かし、感動を与え続けた。
老人になって人生を振り返り、「やり残したことはなかったな」と感じる。
貯金残高は人より少ないかもしれないが、彼には、感動を共有できた友人にたくさん恵まれ、誰かがいつも救いの手を差し伸べてくれた。
本をパタンと閉じ、
「これがアリとキリギリスっていうお話だよ。君ならどっちを選ぶ?」
と聞かれた。
(あれ?自分の知っているお話と大分違うような…)
と若者は思った。
そして、この老人こそがA男なんだろうな、と若者は察した。


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