七夕の一夜しか会えない織姫と彦星は、会えない時間の分、強い恋心でつながっていた。
でも、それは二十代の頃の話である。
三十代になると、
「あれ?」
と思うことが増えてきた。
(白髪が出てきたな)
(息、臭くなってきたな)
一年ごとに、幻滅する部分が増えていく。
恋心は冷めてきたが、
「もう止めようか?」
その一言を、お互いが気を遣って言い出せない。
でも、八十代に突入したら、また再開が楽しみになってきた。
「最近、膝が痛くて」
「それには、このサプリが効くよ」
健康情報交換が楽しく、それ以上に、老いていく皺の数が愛おしくなってきた。
「お互い、健康に気をつけてまた来年会おうね」
この一年に一度の再会が、今の生きがいとなっている。


コメント