余韻系

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心音

「また蹴った」私は夫と顔を見合わせる。臨月になった赤ちゃんは、毎日のように元気にお腹を蹴っていた。(あと一か月かぁ、待ち遠しいなぁ)今日も夫と一緒に産婦人科の診察に来ていた。お腹にエコーを当てていた医師が顔を曇らせて告げる。「赤ちゃんの心音...
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ネッシー

ネッシーの写真をとったマーマデューク・ウェザレルは「あの写真はイカサマだった」と言葉を遺して亡くなった。これによって、世の中から一つの伝説が消えた。死の間際、彼はネス湖を訪れていた。ネッシーは、彼の前に静かにあらわれた。「私の1枚の写真のせ...
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同窓会

俺は、パッとしない学生時代を送り、パッとしない就職をし、パッとしない結婚をして、今もまた、相変わらずパッとしない毎日を送っている。そんなある日、中学校の同窓会の案内状が届いた。今、交流のある奴もいないから、これが何かのきっかけになるかな?と...
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最後のアダムとイブ

人類の滅亡の日が、刻々と近づいている。とうとう最後の2人になった。男の名はアダム。女の名前はイブ。2人は何度も愛し合ったが、命を宿すことが出来なかった。人生の終わりを悟ったアダムは、遺していくイブにこう語りかける。「命あるものは君だけになる...
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不眠症の伯爵

眠れない伯爵は、自分が眠れるように、国中から音楽家を呼び寄せた。チェリスト、ヴァイオリニスト、ピアニスト…。でも、どんな楽器でも、誰の演奏でも不眠を治すことは出来なかった。そんな伯爵のもとに、一人の声楽家が訪れる。その歌は拙かったが、なぜか...
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あの日のお兄さん

暗くなる公園で、僕と弟は帰るのを躊躇っていた。(今日もお母さん、酔っぱらってるかな?今晩も殴られるんだろうな)「お兄ちゃん、帰ろう」「… うん、そうだね、帰ろうか」家路に向かおうとした時、一人のお兄さんが声をかけてきた。「やすくん、こんばん...