同窓会

ショートショート

俺は、パッとしない学生時代を送り、パッとしない就職をし、パッとしない結婚をして、今もまた、相変わらずパッとしない毎日を送っている。

そんなある日、中学校の同窓会の案内状が届いた。
今、交流のある奴もいないから、これが何かのきっかけになるかな?と「参加」に丸をつけた。

当日、会場で誰に話していいかわからず、立っていると
「おぉ、Y、久しぶりだなぁ」と声をかけてきた。
たしか、こいつはⅯ。
クラスの目立つグループで、そんな接点はなかったはずだ。
「お前にずっと会いたかったんだよ。あんなに仲良かったのに」
「…、それはごめん。えっ、仲良かったっけ?」

「ヒーロー、やっと登場。皆とYの話をしていたんだよ」
「えっ、何で?」

代わる代わるに、同窓生がうれしそうに話しかけてくる。
皆とても嬉しそうで、中学時代の自分は、どうやら人気者であったらしい。
(自分の記憶と違うのだが…。なんでだ?)

帰って、中学時代のアルバムを開けてみた。

俺は、思った通り、つまらなそうな表情だったが、俺を囲む同級生は、俺の方を見ながら、皆満面の笑みで映っていた。

(パッとしない人間だと思っていたのは自分だけだったんだな)

その後、今に至るまでの写真を見直すと、その後も俺だけ仏頂面で、周りは満面の笑みであった。
そして、家族写真でも、妻も子供も、俺に視線を送り、幸せな笑みを浮かべている。

(こんなに笑ってくれていたんだな)

明日からもまた、同じ日常に戻る。
でも、見える景色の色はきっと変わっているだろう。

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