し刑

ショートショート

裁判所は、緊張に包まれていた。

「判決は、し刑」

(まだわからない。どっちだ?)
被告人は、祈る思いで画面を見つめる。

画面にその文字があらわれると、傍聴席の遺族は狂喜し、被告人はガタガタと震えはじめた。

「娘がどんな気持ちだったか、今からたっぷり思い知らせてやる」

被告人は、遺族に引きずられて、裁判所から姿を消した。

画面には
「私刑」
の二文字が写されていた。

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