娘が殺されて20年。
ついに時効の日が来てしまった。
あの日から、娘を守れなかったふがいなさと犯人への怒りは、年月とともに薄まることもなく、今でも犯人が現れたら怒りで殺してしまうかもしれない。
時効の朝、
「犯人、見つけてあげれなくってごめんね」
と仏前に泣きながら伝えていると、背後から声がした。
「あっ、そうか、今日が時効だったんだ」
夫の声だった。娘にとっては義理の父になる。
「時効かぁ。じゃあ、もう捕まらないし、自首してこようかな?」
「え?どういうこと?」
「こっちも20年、生きた心地しなかったよ。でももう時効だろ?」
私の手には、包丁が握られていた。
法が裁かないなら、私が裁くのみだ。


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