はじめに
「信じること」。
それは、年齢を重ねるほどに難しくなっていく事なのかもしれません。
人生が思うようにうまくいかなかったり、人との関わりの中で傷ついたり、閉塞感のある日常に、未来の希望を見失いそうになることもあります。
でも、心が「信じられない」と閉じてしまうと、人生はその思い込みの通りに進み、望まない道をたどってしまう事があります。
この記事では、「何を信じるか」という視点から、心の舵を穏やかで明るい方向へ向けていくためのヒントをご紹介します。
「光」を信じる
誰しも、思い通りにならない環境や、出口が見えない状況に置かれることがあります。努力してもすぐには現状が変わらない時、人は無意識のうちに、その環境に「順応する」という選択をとってしまいます。周囲の環境に染まり、この環境を「普通」と納得しようとします。自分本来の輝きを見失ってしまうこともあるでしょう。
そんな時こそ、大切なのは「光」を信じる気持ちです。
希望を持つ気持ちを手放すと、その途中に環境から抜け出す風穴があることや、転換期に気づかないことがあります。
「明けない夜はない」
という言葉の通り、暗闇の中にも必ず希望の光はあります。あなたが克服すべき障害をクリアしたとき、新しい希望の扉は準備されています。
暗いトンネルの先に「光」があることを信じて、歩み続けていきましょう。

「自分」を信じる
あなたは自分を信頼していますか?
自分の可能性、ありのままの人間性をきちんと評価出来ているでしょうか?
自己肯定感というのは、自分は何でも出来るから肯定するのではありません。たとえ完璧でなくても「今の自分を大切に思えるかどうか」がその土台になります。
自分を信じる土台があると、ありのままの姿で自分の持っている力を発揮でき、結果的に人間関係や仕事など、すべてがうまくいくようになるのです。
自分を好きになる事に特別な条件はいりません。不完全なままでいいんです。私たちは誰しも、どこかしらに不完全な部分を抱えています。その不完全さを受け入れることで、周囲の人の苦労を気付ける優しさになったり、補うための努力する姿が出来ます。それが人間的な深みとなTGていくのです。
「自分さえ愛せていれば、『孤独』を感じる事はないでしょう」
ー ウェイン・ダイアー
自分は必ず自分の味方でいるという約束をして、人と比べず、昨日の自分より良い人間になる事を目標に前に進んでいってください。

「人」を信じる
人を信じることが怖くなってはいませんか?
子どもの頃は、警戒心もなく、人の言葉や行動を疑おうとする事はほとんどなかったと思います。けれど、生きていく中で、さまざまな人に出会い、人の想いや感情に傷つく経験を重ねるうちに、人が怖い、信じられない、と考えるようになってしまった人もいるかもしれません。
しかし自分の想いは相手にも伝わるもの。人を信頼しなければ、円滑な人間関係は築けず、仕事や友人関係など、あらゆる場面で小さなすれ違いを生んでしまいます。
人間関係をあたたかく保つ一番の方法は、自分から相手を信頼して好きになる事です。相手が何をしてくれたから、優しくしてくれたから、ではなく、無条件に目の前の人をポジティブに見るように努め、自分から先に「あなたが好きです」「あなたを信頼しています」の気持ちを渡すのです。
人は、信頼されることで自信を持ち。その信頼に足る人物になろうと良い行動をとるようになります(ピグマリオン効果)。
逆に、ダメな人と烙印を押されると、どうせ認めてもらえないしと評価に沿った悪い行動をとるようになります(ゴーレム効果)。
もしあなたが、これまでの人間関係で傷ついた経験を持っていたとしても、それで人を信じる心を手放してしまったら、それはとても悲しいことです。
ー「あなたがいてくれてよかった」ー
そう感じてもらえるような温かい気持ちが交わる瞬間を、少しずつ取り戻していけるように。
人を「信じる」ということを、もう一度、心の中で感じてみてください。

「明日」を信じる
あなたは未来をどのように描いていますか?
その景色は、あなたをワクワクさせるものでしょうか?
人生は足跡のようなもの。
辿ってきたところには、確かに自分の歩んできた軌跡が残りますが、明日から先の未来は、まだ何の跡もついていません。
未来は「今日を生きるあなた自身」が、一日一日を重ねる中で描き続けていくキャンパスなのです。
未来は必ず訪れます。
けれど、それが良いものになるかどうかは今日の行動にかかっています。
「あなたが今蒔く種はやがて、あなたの未来となって現れる」
ー 夏目漱石
「一切の人生の果実は、その人の蒔いた種子のように表現してくる」
ー 中村天風
人生は自分で舵を取らなければ、思わぬ方向に進んでしまうことがあります。
「こんなはずじゃなかった」と感じる場所に立ってしまうこともあるでしょう。
だからこそ未来を具体的に描き、今日できる小さな一歩を積み重ねていくことが大切です。
あなたの未来がポジティブなものであるように、日々の中で希望の種をまき、育てていきましょう。

「見えない世界からの恩恵」を信じる
日本人は、困っている人がいたら自然と手を差し伸べ、たとえ誰も見ていなくても悪い行いはしない、道徳心の高い民族だと言われています。これは、「お天道様が見ている」という意識が、心のどこかに自然に根付いているからでしょう。
こうした感覚は、宗教というよりも、自然と共に生きてきた日本人の中に息づく「目に見えないものへの敬意」なのだと思います。
日本には八百万(やおよろず)の神様がいると言われています。山にも川にも、米粒1粒にまで神様が宿るという考え方です。私たちは、そうした目に見えない力に守られながら生きています。
そして、あなたが今ここに生きているのは、長い時間をかけて命をつないできたご先祖様のおかげでもあります。ご先祖様もまた、命のバトンを今つないでる私たちの事を、心配しながら見守っています。
建国から2600年という日本の歴史の中で、たくさんの人が自然に宿る神様やご先祖様供養を大切にして暮らしてきましたが、現在を生きる私たちは現実的な思考になり、目に見えないものをおざなりにするようになっているようにも思います。
成功者は、自分の努力はもちろんですが、「徳を積む」ことをとても大切にしています。「徳を積む」と神様やご先祖様が、何らかの形で「道が開ける」体験を与えてくれるからです。
人としてさらに飛躍したい時、自分の努力にプラスして「目には見えない世界」からの恩恵を信じ、感謝の気持ちを持って、毎日石を積み重ねるように、自分なりの「徳」を積んでお返ししていきましょう。

まとめ
信じることで、あなたの周囲の人、環境、そしてあなた自身が良い方向へと変わっていくはずです。
「信じる」ことで変わっていく景色をぜひ実感してください。


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