朝、仕事に行こうとアパートを出ると、上から1枚の紙ヒコーキが落ちてきた。
その中には「タスケテ」と書かれている。
(またか)
はじめは心配していたが、半年も毎日続くと、もういたずらとしか思えない。
丸めて鞄に投げ入れ、仕事に向かった。
彼に監禁されて半年。
彼が仕事に出かける時、少しだけ窓を開けていくことに気づいた。
私は、手が届く場所にある紙に一縷の望みを託した。
(毎日飛ばし続ければ、誰かが気づいてくれるだろう)
そんな願いも空しく、この紙が最後の1枚となった。
(お願い、届いて)
もしこの声が届かなかったら、明日やることは決めている。
残されたのは、カッター1本だった。


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