私が小学生の頃、「さっちゃん」という、嘘しか言わない女の子がいた。
「あの芸能人、私のいとこなんだよ」
「学年のアイドルの男の子に告白された」
「テストで満点を取った」
あまりにわかりやすい嘘をつくので、同級生は次第に距離を置くようになった。
外見が不潔で、それも嫌われる原因だった。
そんな中でも、私には普通の話をしていたから、さっちゃんにとって私は、心を許せる存在として認識されていたのだろう。
「ママは優しい」
「お料理上手なの」
と。
ある日、さっちゃんは突然学校に来なくなった。
夜逃げしたらしい。
母と2人でどこに消えたのか、誰もわからなかった。
学校に来なくなって半年後、さっちゃんから私に電話が来た。
「ママと新しい環境で、仲良く暮らしている」
「新しい学校の友達も優しい」
それっきり、彼女から連絡はない。
彼女は今、どうしているだろうか?


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